賞味期限切れnote

デスマ中につき暫しの休息

【鮫沢伐】 終末のワルツ

f:id:t781:20170115153128j:plain

「知りたい……お前の全てを」

 身も心も冷え切るような寒い冬にはほっこり甘いお話が読みたくなりますね。
 どうも、ファンタジー大好き祐です。
 モトヤマチーフの秘密のちょいファンタジー風味な雰囲気が好きだったので今作も期待はしていたのですが、タイトルから漂う切なさをちょっぴり裏切る優しいお話で個人的には大当たり。
 寒い夜にオススメの、終わりゆく世界で芽生える愛の物語です。

 

 ≫ あらすじ

 終焉を迎えようとしている世界で、荒廃を食い止める生命体を生み出すためだけに生きてきた科学者のシロウ。「やっと会えた」という言葉とともに彼の目の前に現れたクロエの正体とは…!? 終末の世界で生まれた永遠の愛の物語。

 

≫ 登場人物

シロウ=シュリーガン(受)
 荒廃した世界を食い止める生命体を生み出すためだけに育てられてきた科学者。自らが生み出した蝶たちにずっと懺悔の気持ちを抱えてきたような優しさを持ち、けれど愛情というものを知らない寂しい人。真面目でピュアなだけにちょっと天然さん。

クロエ(攻)
 シロウが作り出した蝶たちで形成されたヒューマノイド。シロウを幸せにするために作られたという大らかで朗らかな青年。

 

≫ 感想

 全体的にふわっとした雰囲気ファンタジー(FS風味)ではあったけど、人工的に育てられたシロウが人工的に生み出し作られたクロエに愛し合い命を繋いでいくことを教えられていく、その過程や二人の様子が優しさと深い愛情で溢れていてとても良かったです。
 主軸になる設定はちゃんとストーリーの中に描かれているので物語としては分かりやすくはあったのですが、細かい部分はあまり説明されていないだけにふわっとした印象だったのがちょっと惜しかった気はするけど、テーマがしっかりしていたぶん読み終わってみると納得感のあるお話でした。鮫沢さんらしいコミカルさがちょこちょこ織り込まれてるのもクスッと笑えて良かった。

 キャラクターのほうもどちらもが感情的に不純なものがないので素直さとピュアさが際立ってたし、だからこそ純愛さが伝わってきてほっこりすると同時にキュンと胸が締め付けられるような甘さが感じられて◎。
 最後には二人の間で生まれた愛がちゃんと繋がり、願ったように次の新しい、幸せな世界で子供という宝を授かって幸せな日々を過ごしているのが見られ、終わりから始まりへと続いていく開けた幸福感が感じられて良い読後感でした。
 思い描いたとおり、二人の子供がシロウに似た白くて綺麗な子とクロエに似た黒が似合う子の双子っていうのも温かい気持ちになれてお気に入り。描き下ろしのエピソードまで、コミカルさはあれど世界観を壊さない内容だったのも言うことなし!

 

終末のワルツ (ディアプラス・コミックス)

終末のワルツ (ディアプラス・コミックス)