賞味期限切れnote

気ままにその日暮らし

【三田織】 僕らの食卓

f:id:t781:20170129162612j:plain

ありがとう。あの時僕に声をかけてくれて

 今回は帯をアイキャッチにしたので作中からの台詞を選んでみました。
 受(実際はキス止まりなので正確なところではないですが)と受に懐くチビッ子とのやりとりが和めてめちゃくちゃ好きな祐です。
 三田さんの作品は今までもツボだったにもかかわらず今回に限って何故か購入を迷っていたのですが、フォロワ―さんの最高だったという一言に背中を押されてソッコーで注文。大正解でした! タイミング良くツイートしてくれてMさんありがとう!!

 ちなみに今作は帯にあるとおり、あったかハートフルラブストーリーです。
 子持ちではなくチビッ子はメガネじゃないほうの弟なのですが、すごーく良い仕事をしてくれています。登場からひたすら彼の存在が癒し。
 BLチビッ子ものが大好きな方には是非読んでみてほしい1冊です。

 

 ≫ あらすじ

 会社員の豊は、誰かと食事をするのが苦手。しかし、昼食をとろうとしていた公園で出会った兄弟・穣と種になぜか「おにぎりの作り方」を教えることに。以来、彼らと一緒に食事をすることが増えた豊。いつしか、みんなでご飯を食べるのが楽しみに思えて────。

 

≫ 登場人物

穂積豊
 養子に入った先の義両親や義兄姉たちと幼い頃に上手くいかず現在も疎遠の、誰かと一緒に食卓を囲むのが苦手なリーマン。23歳。子供好きの穏やかで優しいメガネ青年。

上田穣
 一昨年母親を亡くし現在は父親と年の離れた弟との三人暮らしの、ちょっと強面だけど弟想いの大学生。現在バイトと種の面倒をみながら休学中。

上田種
 穣の弟で、美味しいおにぎりを食べさせてくれた豊に懐く4歳児。無邪気で優しい良い子。作中の癒し的存在。

 

≫ 感想

 なんで迷ってたんだよ!と己を殴り飛ばしたいくらい、家族や食卓に感傷を抱く二人のちょっぴりセンチメンタルできゅんと温かい家族団らんのお話でとても良かったです! 色々登録する前にちょことだけパラ見~と思ったのに気づいたらガッツリ読んで読了しちゃったくらい、初見だけで間違いなく高再読率になるだろうお気に入りの1冊になりました✧˖°

 とにかく期待していたチビッ子の種くんはめちゃくちゃ可愛くて和みだし、豊は幼い頃に義兄から虐げられてきた傷が、穣は母親を亡くした喪失感という傷が、一緒に過ごしたりみんなでご飯を食べることで癒され心の穴が埋まっていく様子にほっこりあったかい気分になれて言うことなし。なかでも、穣も豊の存在に救われたんだろうけど、豊の幼い頃のエピソードがより痛切なかっただけに彼が二人と出逢えて良かったと思わざるを得なかったなあと。それと同時にイケメンでセレブかしらんが豊の義兄の中身のクソさ加減を考えると多少モヤッと感が残りますがっ。

 BL的にはキス止まりなうえに実に微笑ましいやりとりしか見られないのでガッツリを期待して読むと満足度は低いかもしれませんが、二人が優しくてあったかい関係を築きそういう時間を過ごしている様子はお腹がすくのとは逆に(笑)心が満たされるお話でした。
 豊の穏やかで子供好きなのが伝わってくる種に接する姿や、穣のぶっきらぼうな一面がありつつも面倒見が良くて優しいところ、二人といて幸せそうな種の表情など、読めば読むほどそこここに散りばめられたほっこり要素に和めるのも高ポイント!
 ぜひ読んできゅんとあったか気分になってみてほしい作品です♪