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賞味期限切れnote

デスマ中につき暫しの休息

【青山十三】 今夜いつものバーで

感想-年下攻 感想-オムニバス 感想

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お客様、本当の恋情を知られるのが怖いですか…?

 なにげに太田和彦さんの居酒屋紀行を見るのが好きです。
 バーの雰囲気、いいですよね。まあ私自身はほとんど飲めないのもあって居酒屋しか行ったことがないですけど(笑)
 今作はそんなバーが舞台のオムニバス作品。大人っぽさと色気、駆け引きとほろ苦さ、そこにほんのり甘さが加わった、不器用な大人の恋模様を楽しめる1冊です。

 

1組目 : 会社の後輩(年下)×先輩

≫ 火村直哉(ノンケ)×水島誠(ゲイ)

 いつものように一夜限りの相手を見つけキスをしていたところを密かに片想いしていた会社の後輩である攻に目撃され、口止めのために自分から彼を押し倒したのをキッカケに脅されて関係を強要される受のお話。

 始まり方は脅し脅されなうえに火村がややS寄りなのもあってエロがちょっぴり痛々しさはあったけど、実はそんな彼に水島は密かに片想いしてたのが判明してきて更に切なさにキュン。
 自分から銜え込んだとはいえゲイゆえに一度だけ好きな人にと望んでいたのが知れるシーンはほろ苦さが一気に溢れて良かったです。

 とはいえ濡れ場はエロエロで萌えたし、何より実は火村のほうも異動になる前から水島のことを想っていて嫉妬ゆえの脅迫だったっていうのがオイシイお話でした。告白シーンの「いつか全部俺のものにしてやる…!」は年下攻の必死さが感じられて大変ツボ。

 

2組目 : 高校からの友人同士。ノンケ×ゲイ

≫ 土屋啓一郎(ノンケ)×吉木裕(ゲイ)

  高校時代に自分が下手な慰め方をしてしまったせいでゲイである自分を好きになり攻の人生を狂わせてしまったと思い込んで、本当は彼が好きなのに別のときめける相手を探している受のお話。

 土屋が吉木を好きなのはアッサリ判明するんだけど、それを受け入れたら土屋から世間一般のありふれた幸せを奪ってしまうと吉木が思っているだけに一筋縄じゃいかないところがもどかしい。しかも後半、吉木を好きな相手からやっかまれて土屋が暴行を受けるせいで一気に決裂してしまう流れは切なくてハラハラ。
 でもそのすれ違いがあるからこそ、周囲のお膳立てでようやく本音で話し合えてからの両想い展開が甘くてキュンとできて良かったです。そして淡泊そうな攻が見せる甘い懇願はなかなかツボ。優しいけど有無を言わせない感じがいいんですよね~(ニマニマ) その後の吉木の「抱ける?俺の事抱ける?」も可愛くてお気に入り!

 

3組目 : バーの店員(年下)×マスター

≫ 氷室×風見

 受に惚れ込みアプローチをする攻と、過去の恋人の存在を大切にしつつも新しい一歩を踏み出す受が、バーの経営権を獲得するために頑張るお話。

 オムニバスだけあって最初から読んでる流れで辿り着いたという感じのお話で、無事落ち着くところに落ち着いて纏まったなとホッとしたのが一番の感想。
 氷室の一途さに年下らしさはチラつくものの、どちらかというと双方が可愛げのないタイプというか(笑)引くことのない意地を通す勝気な性格なので全体的に対等な関係だったのが面白味があって良かったです。
 風見が亡くなった恋人と作り上げてきたバーの存在をとても大切にしながらも氷室のことを受け入れようとしている流れも自然で良かったし、二人の関係の進展という点でも上手くバーの件を絡めて展開していくのがこの二人らしくて面白かったです。
 最後は最後で氷室が見せたがっつきっぷりに萌えつつ、風見の「俺好みにしつけらんねーじゃねーか」発言にニンマリのラストで、全体的にオムニバスながらどのお話も綺麗に纏まってて満足感の得られる1冊でした。エロ面でも★4つ!

 

今夜いつものバーで【SS付き電子限定版】 (Charaコミックス)

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